能勢鋼材株式会社

能勢孝一 公式ブログ

2018年06月6日

「水素」 5/31

今日は所属する大阪東ロータリークラブにて30分の卓話担当として

岩谷産業株式会社より尼崎研究所の繁森副所長にお越しいただき

「水素社会の実現に向けて」というお題でお話をいただきました

 

 

「水素は怖い」のイメージは完全に払拭されました

クリーンでかつエコな次世代燃料として改めて注目です

 

岩谷産業株式会社

中央研究所 繁森 敦

5月31日講演要旨

当社は、70年以上も前から水素に着目し、いち早く水素の製造、輸送・貯蔵、利用まで一貫した取り組みを行ってきました。国内で唯一液化水素の製造・供給体制を整備しています。

水素は、世間一般では爆発するので危険という認識を持たれています。しかし、天然ガスやLPガスと同じ「燃える」物質であることに気をつければ、水素だけが特別に危険なわけではありません。実際、1970年代頃までは、水素を50%以上含んだガスが都市ガスとして各家庭に供給され、消費者は水素とは知らずにそのガスを鍋の煮炊きや風呂沸かしに使っていたのです。

資源の乏しい日本では、過去から究極の循環型クリーンエネルギーとしての水素に注目し、様々な研究・開発・実証等を進めてきました。2017年12月には、水素を再生可能エネルギーと並ぶ新たなエネルギーの選択肢として提示した水素基本戦略が策定されており、足元では燃料電池自動車(FCV)、エネファーム等燃料電池を通じた水素利活用を拡大し、中長期的には、水素発電や国際的なサプライチェーンの構築等に向けて取組を推進するとしています。

2015年は「水素社会元年」と言われ、トヨタ自動車がFCV「MIRAI」の市販を開始するとともに、水素供給インフラの整備として水素ステーションの建設が進められました。また2016年3月には本田技研工業がFCV「クラリティフューエルセル」のリース販売を開始。現在、約2,500台のFCVが国内を走っており、燃料を供給する水素ステーションも4大都市圏を中心に約100箇所の運用が始まっています。資源エネルギー庁が策定した水素・燃料電池ロードマップでは、2020年には国内でFCVが4万台走り、水素ステーションが160箇所整備され、2030年にはFCVが80万台走り、水素ステーションが900か所程度整備される計画となっています。

一方、水素エネルギー社会を実現するためには、水素発電の普及が不可欠と言われています。水素発電は大量の水素を消費するため、今後、その供給に向けた水素製造・輸送・貯蔵技術等の開発が必要です。水素発電に必要な水素をすべて国内で調達することは困難なため、海外で大規模に製造して、日本まで輸送するサプライチェーンの構築が重要です。2020年には、まだ小さな規模ですが、海外で製造した水素を日本に輸送して利用する実証が始まります。将来、海外の安価な資源を利用して製造した大量のCO2フリー水素を日本に導入する時代がやってくるでしょう。

当社は、2002年に国内初の実証用水素ステーションを建設して実証を進めるなど、水素エネルギーのパイオニアとしての役割を担ってきました。水素エネルギー社会の早期実現に貢献すべく、今後も水素事業の一層の拡充に取り組んでまいります。

 

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